ジュヴレ・シャンベルタンの7つの古樹の区画をブレンドしたワイン
コンブ・ド・ラヴォー、クロ・プリウール、クロワ・デ・シャンなど、ジュヴレ・シャンベルタンに所有する7つの古樹の区画をブレンドしたワイン。平均樹齢50-60年。色の濃いベリー、チェリー、プラムのジューシーな香りに土っぽいニュアンス。フローラルな赤系果実の味わいは緻密でミネラルのニュアンスが更なる複雑さを与える。非常に洗練されたジュヴレのヴィラージュの表現。
ブルゴーニュの名門、ボワイヨ一族の4代目となるルイ・ボワイヨは、遅咲きの新星。1978年に醸造学校を卒業後、当時注目を集めつつあった父のドメーヌ、ルシアン・ボワイヨの下でワインを造り始めました。しかしその後、公私ともに長年のパートナーとなるギスレーヌ・バルトと出会い、彼女のワイン造りに関わる中で、彼が求めるワインと父が求めるワインの方向性の違いに気付きました。自らが納得できるワインを求め、遂にルイが独立を果たしたのは2003年のこと。祖父のアンリ・ボワイヨから受け継がれたヴォルネイ、そして父親から相続したジュヴレ・シャンベルタンなど、数々の素晴らしい畑を手に、シャンボール・ミュジニーでギスレーヌ・バルトと共有するセラーに移りました。このような経緯から、ルイ・ボワイヨは小さな個人ドメーヌとしては珍しく、コート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌの両方に畑を所有しています。合計7haの畑の平均樹齢は約55年と高く、中には最高樹齢が100年に達する区画も含まれる。ルイは代々受け継いできたこれらの古樹を、彼のワインを特徴づけるものとして大切に守っています。
独立当時から変わらずルイが理想とするのは、エレガントで洗練されたワインですが、難解なワインは求めていません。ブドウが育まれたテロワールと透明感あるピュアな果実を備えた、無条件に飲んで美味しいと思えるワインを目指しています。事実、ルイ・ボワイヨのワインには、優しさ、穏やかさ、そして幾重にも広がるグラデーションのような古樹特有の深みが存在します。長い年月をかけて地中深くに張ったブドウの根が、彼のワインにブルゴーニュのピノ・ノワールの真の魅力をもたらします。彼がワイン造りでより重要視する畑仕事は、リュット・レゾネで行われます。「心が休まるのは、畑仕事が落ち着く冬の間だけ」というほど念入りに手入れされた畑には、除草剤どころか、土壌に悪い影響を与えるとして有機農法で認められている薬剤である銅すら用いられません。土は耕し、収量も厳しく制限します。ブドウのクオリティのみを追求した栽培の手法は、それまで培った経験や代々受け継いだ知恵を年々昇華させる実践主義に基づいています。しかも、毎日畑に出て不要なブドウを取り除くので、収穫時の選果がほとんど必要ない年もあるほど、その仕事は本当に細かいのです。彼のごつごつとした大きなワイン生産者の手が、その証である。
醸造では、100%除硬後、自然酵母でアルコール発酵が行われます。それぞれの畑には独自の酵母が生きているため、テロワールの表現を求める彼に培養酵母を使うという選択肢はありません。ピュアな果実の美しさを引き出すため、強い抽出を避け、約20日の長いマセラシオン(醸し)期間中は、状況に応じてピジャージュ(上から櫂や人力で撹拌させる作業)やルモンタージュ(発酵槽の下からポンプで液体を吸い上げて、上からかける作業)を行っている。また、オークで味わいを隠してしまわないように、熟成に用いるバリックの新樽率は低くしています。設立間もなく、彼はブルゴーニュ新時代の中心的存在として注目を浴びる生産者の一人となったルイ・ボワイヨ。既に確固たる哲学を持ち、豊かな経験も備えていた彼にとっては、当然の結果とも言えます。「今や一流のドメーヌ」と称えられるルイ・ボワイヨは、ブルゴーニュ評論の権威クライヴ・コーツから、ロベール・グロフィエ、ユベール・リニエ、クリストフ・ペロミノなど、スター生産者に並んで1ツ星評価を獲得。更に、世界のワイン情報が集められた『ワイン・レポート2009』では、「最も進化の早い10の生産者」の第1位に輝いています。
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