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Domaine de la Mordoreeドメーヌ ド ラ モルドレ

1986年に、フランシス デロルムと、彼の息子であるクリストフによって設立されました。クリストフは、 わずか30年でドメーヌを最高レベルのワイナリーに押し上げました。彼は完璧主義者で情熱家、先見の明があり、早い時期からテロワールをリスペクトする方針を取っていました。クリストフは、非常に献身的に働く人物で、収穫量を低く抑えた、バランスの良い熟した葡萄 から素晴らしいワインを造ることで知られていました。彼の努力は実り、有名なロバート パーカーが シャトーヌフ デュ パプ ラ レイヌ デ ボワの2001VTに100点をつけるなど、評論家からも高く評価されるようになりました。
残念ながらクリストフは2015年に急逝しましたが、2016年からは彼の妻のマドレーヌと娘のアンブルがワイナリーを運営しています。マドレーヌとアンブルは、「出来得る限り最高のワインを造る」という意志を継ぎ、ワイナリーをさらに発展させようとしています。 クリストフは、多くの生産者から尊敬されていました。「パワフルで集約感のあるスタイルから、よりエレガントな方向性に転換したい」と2014年にクリストフが話していたワイン造りの方向性は、彼の亡き後もしっかりと引き継がれています。

ドメーヌ ド ラ モルドレは南フランスのローヌ地方、アヴィニョンの町から車で20分ほどの距離にある、タヴェルに位置しています。全体で58haの葡萄畑を所有しており、タヴェルに12ha、隣のリラックに20ha、タヴェルから車で20分ほど南下したところにコート デュ ローヌの畑があり、13haを所有しています。ヴァン ド フランスの畑は、ローヌ川近くの平地に6ha、そしてシャトーヌフ デュ パプに3haを所有しています。北部ローヌのコンドリューにも0.8ha所有しています。
非常に重要な 、たったひとつの哲学は「完全に熟した、健全でバランスのとれた最高の品質の葡萄を選んで収穫すること」です。この目標を達成するために、生きているワインにとっては生きている土壌が必要と考え、このテロワールのために様々な作業を行っています。生きている土壌とは 、土の中にいる生き物の生活をリスペクトし、畑周辺の植物 、またこの畑周辺に生息する生き物の生活も大切にすることです 。つまり、畑だけでなく、それを取り巻く自然環境すべての生物多様性を保つことを重視しています。自然のバランスが保たれていることによって、最高の葡萄が得られると考えているからです。葡萄畑には、自然に由来するものしか使っていません。殺虫剤や除草剤は使わず、ビオディナミの調合材を使用します。醸造についても、添加物などは一切加えていません。そして、モルドレのDNAともいうべきことですが、収穫量を低く抑えています。通常の半分に減らすこともあるほどで、これは、出来得る限りの完全な品質を得るために他なりません。生産量よりも品質を重視しているからです。畑仕事は、機械が入れる場所であってもほとんど手作業で行っています。厳しい選別を行いながらの収穫はもちろん、必要なら葉落とし、剪定、芽かきなどの作業を行っています。

また、以前からずっとオーガニック栽培を行っていましたが、2013年に正式にオーガニック認証を取得しています。ワインのバックラベルには、ABマーク、ユーロリーフが表示されています。他には、新たにHVE（Haute Valeur Environnmental 環境価値重視）のレベル3の認証を取得しました。これは、農業従事者のための環境認証で、3段階に分かれている認証の中の最上のレベルに当たります。現在はビオディナミを実践、数年後の認証取得を目指しています。また、vigneron independent（自家畑、自家醸造を行う小規模な葡萄栽培者の団体）にも加盟しています。すべての畑の葡萄は手摘みで収穫し、厳しい選別をしてワイン造りを行なっています。

「私たちの目的は、人と自然を尊重しながら、可能な限り最高の葡萄、そして最高のワインを皆様にお届けすることです。私たちが行うすべての作業は認定を受け、環境と生物多様性を尊重しているものとして承認されています。これらの認証を受けることは、私たちが自然と生物多様性を尊重していることを確かなものにするために必須だと考えています」。

モルドレとは、 赤茶色の毛を持つ ヤマシギ(ウッドコック)の詩的な名前 です 。彼らのキュヴェの様々な名前は、この鳥にちなんだ名前になっています。 たとえば、「 ラ ダム ルス 」は赤毛の女性、「 ラ ダム ヴォヤジューズ 」は旅をする女性、「 ラ レイヌ デ ボワ 」は森の女王 、それから、本当に抜きん出たヴィンテージにのみ生産する限定キュヴェ「 ラ プリュム デュ パントル 」は画家の羽を表し、ヴァン ド フランスの「ラ ルミーズ」は、森の中にあるヤマシギの巣を指しています。