Wineワイン

Meroiメロイ

フリウリのワインシーンを牽引する最も旬な生産者と名高いパオロ メロイ氏。祖父であるドメニコ氏が、イタリア北東部ブットリオの地に設立した小さな醸造所を1980年代に父親から引き継いで以来、品質本位のワイン造りに情熱を注いでいます。ミアーニのエンツォ ポントーニ氏とは旧知の仲で、3代目継承当時からエンツォ氏にブドウ畑の立て直しとワイン造りについて助力を依頼しています。彼らの関わりは非常に深く、メロイ氏がワイン愛好家の注目を集める現在もエンツォ氏が醸造を手伝う他、共同でブドウ畑も購入していますが、厳格なミアーニのワインに対し、パオロ氏が目指すのはフルーティで大らかなスタイルであり、エンツォ氏もそれを尊重し、ワインに反映させています。

畑はブットリオの西側の丘のD.O.C. コッリ オリエンターリ デル フリウリに広がっており、ポンカと呼ばれる泥灰土と石灰が混ざった独特の土壌を持ちます。このような土壌では、大地からの強いミネラル分がブドウに吸収され、独特の風味を持つ寿命の長いワインが生まれるのです。ブドウ栽培には有機農法を採用。ビオというアプローチを一過性のものとせず、さらに深く理解しそれぞれの区画のテロワールに最適な手法を取り入れるため、DRCなどでもコンサルタントを務めたフランス人地質学者イヴ エロディ氏に毎年地質調査を依頼し、改良を重ねています。収量は非常に低く、平均25hl/haにも満ちません。
手作業で収穫・選果されたブドウは、白ワインにおいてはフレンチオークのバリックで発酵・熟成、赤ワインにおいてはステンレスタンクでアルコール発酵後、白と同じくバリックでマロラクティック発酵と熟成が続けられます。メロイの持ち味である長熟のポテンシャル、そして甘美な果実味と凝縮感は、この過酷なまでの低収量と絶妙な樽使いから生まれるのなのです。またパオロ氏は、ワインに対するのと同等の情熱を代々受け継がれたトラットリアにも注いでおり、手がけるワインのほとんどがここで飲まれてしまうため、一般には入手困難な生産者のひとりとなっています。クオリティを求めた妥協なきワイン造りが見事に実を結び、その躍進を陰で支え続けるエンツォ氏も太鼓判を押す造り手となったメロイ。国内外の専門各誌の評価はもちろん高く、ヴェロネッリでは毎年のようにスーパー トレステッレ評価を受けています。