Whiskeyウイスキー

嘉之助蒸溜所

嘉之助蒸溜所の歴史は、数々の挑戦と革新に満ちています。1957年、2代目・小正嘉之助が日本の酒造りに革命をもたらしました。当時の焼酎は安価で粗悪なイメージを払拭するため、国内外の酒造方法を学び、ウイスキーなど世界の蒸溜酒が長期熟成によって深い味わいを得ることに着目します。試行錯誤の末、米焼酎をオーク樽で6年間熟成させた日本初の長期熟成米焼酎「メローコヅル」を世に送りだし、当時の常識を覆しました。1975年、「メローコヅル」専用の蒸溜所建設を思い描き、現在の嘉之助蒸溜所が建つ日置市日吉町神之川の土地を入手し貯蔵庫が完成しました。

長年焼酎造りに携わった小正家にとって、鹿児島の文化である焼酎を世界に届けることは大きな願いでした。3代・目芳史が就任後は海外にも重点を置いてきましたが、「メローコヅル」が世界的な賞を受賞するなど業界的な評価を確立した一方、海外での焼酎の広がりは限定的である課題を抱えていました。世界的に愛される「ウイスキー」を目指し専門的に醸造を学んだ4代・目芳嗣が中心となり、熟練の蔵人たちとともにスコットランドをはじめとする世界各地のウイスキー蒸溜所を訪れ、見聞を深めていきました。2017年、革新を恐れず人々に喜ばれる酒造りに邁進した2代目・嘉之助の名を冠し「嘉之助蒸溜所」が誕生しました。小正嘉之助が焼酎の熟成でさらなる深い味わいを求めたように、嘉之助蒸溜所は世界で通用するウイスキーを造ることを目指し焼酎を世界に伝え繋がることを信じています。

2021年、嘉之助蒸溜所は飲料ブランドの構築・拡大を支援するアクセラレーターであるディスティル・ベンチャーズ社と提携しました。提携を通じて、ディアジオ社からの出資が実現、国際的な販売網の拡充、マーケティングの強化、積極的な新製品の開発が可能となりました。ディアジオ社が日本のウイスキーメーカーとパートナーシップを結ぶのは初めてであり「ジョニーウォーカー」や「スミノフ」など、多くの卓越したブランドを保有するディアジオ社からの後押しを受け、嘉之助蒸溜所は国内外で支持されるKANOSUKEブランドを目指しています。創業以来受け継がれる情熱と技術、そして挑戦の精神で鹿児島から世界へ、ジャパニーズウイスキーの新たな歴史を刻み続けながら彼らが織りなす「世代を超えた挑戦の物語」は、多くの人々を魅了することでしょう。