Wineワイン

Domaine Des Trois Noyersドメーヌ デ トロワ ノワイエ

フランス中央部、冷涼な気候が特色のロワール地方。その上流域、サントル ニヴェルネ地区の銘醸地サンセールにおいて、ドメーヌ デ トロワ ノワイエは、テロワールの個性を最大限に表現する家族経営の造り手として確固たる地位を築いています。ワイナリーはヴェルディニー村に拠点を置き、その歴史はジュルジュ レヴェルディ カデ氏によって始められました。長年にわたり、ブドウ栽培とワイン造りへの情熱は、世代を超えて大切に受け継がれています。 転機となったのは2004年。創業者の想いと技術を継承し、現在は3代目となるクロード レヴェルディ カデ氏がドメーヌの責任者として指揮を執っています。彼は、伝統的な製法を守りつつも、最新の知見を取り入れながら、所有する約10ヘクタールの畑から最高のブドウを収穫することに情熱を注いでいます。この10ヘクタールの畑からは、サンセールのアペラシオンが認める赤、ロゼ、そして世界的に名高い白ワインの全種類が生産されており、レヴェルディ カデ家の多様なワイン造りの才能を示しています。

ドメーヌ デ トロワ ノワイエのワインの最大の特徴は、ロワール川上流のこの地域特有の、極めて複雑な三つの異なる土壌（テロワール）から生まれるブドウを使用している点にあります。この土壌の多様性こそが、ワインに奥行きと個性を与える源泉です。 一つ目は「テール ブランシュ」と呼ばれる土壌で、ミネラル分が豊富な粘土石灰質、すなわちキンメリジャンが主成分です。この土壌で育つブドウからは、構造がしっかりとしており、まろやかでふくよか、そして長期熟成のポテンシャルを秘めたタイプのワインが生まれます。
二つ目の「カイヨット」は、石灰岩の小石が多く含まれる土壌であり、水はけの良さからくるフィネスが特徴です。ここで収穫されるブドウは、軽快でフレッシュな風味を持ち、比較的若いうちから楽しめる早飲みタイプのワインに適しています。 そして三つ目の「シレックス」は、火打ち石と粘土が混在する土壌です。この特殊な組成により、ワインは硬質で非常に強いミネラル感を帯び、しばしば「火打ち石を叩いたような」と表現される独特の香りが加わります。 クロード レヴェルディ カデ氏は、これらのテロワールを細心の注意をもって区画ごとに管理し、それぞれの土壌が持つポテンシャルを最大限に引き出した、明確な個性を備えたサンセールワインを世に送り出しています。ドメーヌ デ トロワ ノワイエは、ロワール地方のブドウ栽培とワイン造りの伝統、そしてテロワールの力を現代に伝える、貴重な存在です。